コラム

マイホームを売るべきタイミングの見極め方

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マイホームの売却を検討する場合、より良い条件で売却できるよう最良のタイミングで売却活動を開始したいものです。

今回はマイホームを売却するタイミングについて、解説します。

 

 

資産価値から見たベストタイミングは、築10年から15年の間

 

不動産の売りどきを判断する要素として、不動産市況と物件の築年数があります。一般の方が不動産市況を正確に読むのはかなり難しいので、こちらは信頼のおける不動産会社のプロに相談するほうが確かでしょう。

 

一方、物件の築年数は、売主さん自身が売りどきを判断するための、よりわかりやすい指標といえます。

 

住宅は入手したその日から、建物価値が下がっていきます。一番価値が高いのは言うまでもなく新築時ですが、人が住んで1、2年たつと、早くも評価は下がり、築15年目くらいを境に、さらに大きく価値を落とします。

 

したがって、築年数をもとに物件自体の資産価値を考えると、築15年を迎える前後がひとつの節目。売却のベストタイミングとしては、「築10年から15年の間」が目安となります。

 

特に戸建て住宅では、築20年を経過すると、使用頻度や劣化状況によっては建物の価値がゼロ評価になってしまうことがありますので、気をつけてください。

 

ただし、築20年を超える物件が売れないわけではありません。新しい物件に比べ、価格が手頃な中古住宅がよいという買手もいますので、周辺の物件共有数や平均成約価格帯を考慮し、売却計画を立てましょう。

 

 

5年を超えてから売るほうが、税率面では有利になる

 

不動産を売って利益がでた場合、譲渡所得税と住民税、および東日本大震災の復興財源に繰り入れる復興特別所得税がかかります。税率は、売却年の1月1日時点で、その不動産を何年保有していたかをもとにして計算されます。

 

 

保有期間が5年以下の場合は、譲渡所得の39・63%

(所得税30%+復興特別所得税0・63%+住民税9%)

 

保有期間5年超なら、譲渡所得の20・315%

(所得税15%+復興特別所得税0・315%+住民税5%)

 

 

見てのとおり、税率は5年を境に大きく変わりますので、所有期間が5年を超えての売却は、税金面からは得だといえます。最適な売却時期を考えるうえで、決定的な要素というわけではありませんが、判断材料のひとつとして知っておくとよいでしょう。

 

 

1年のうちでは1月から3月が売りどき

 

不動産売買では1年という単位のなかにも、売却のベストタイミングが存在します。1年のうちで家やマンションが売りやすいのは、ズバリ、1月から3月です。

 

就職・転職、転勤、子どもの学校の新学期と、年度替わりの4月を前に引っ越す人が多いためで、不動産業に携わる私たちが、年間で一番忙しくなる時期です。

 

事情が許すのであれば、短期間で買手が見つかりやすいこの時期に照準を合わせて、売却準備をするのがお勧めです。

 

 

まとめ

 

・最適な売りどきは、市況と築年数で判断する

 

・税金面では保有期間5年超が有利

 

・年間では1月から3月がベストシーズン

 

 

 

 

【コラム執筆者】

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山本 健司

プロフィール

ミライアス株式会社代表取締役。大手不動産会社で全国1位の成績を連続受賞。不動産相談件数16,000件超。著書『初めてでも損をしない 不動産売却のヒケツ(サンルクス出版)』『損しない! モメない! 実家の不動産相続のヒケツ(サンルクス出版)』