コラム

リースバックとは?仕組みや代表的なトラブルを解説

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「まとまった資金が必要だけれど今の自宅には住み続けたい」という場合は、リースバックを利用する方法があります。

 

リースバックであれば、売却したあとも住み慣れた家で生活を送ることが可能ですが、一方でさまざまなデメリットがあり、トラブルに発展するケースも少なくありません。

 

本記事では、リースバックの仕組みやメリット・デメリット、よくあるトラブルや他の資金調達方法との違いを解説します。

 

 

リースバックの基礎知識

 

リースバックは、自宅などの不動産を事業者に売却して資金を得ると同時に、その事業者と賃貸借契約を結ぶという取引方法です。

 

自宅を売る「不動産売買契約」と、新たに家を借りる「建物賃貸借契約」という2つの契約が一体となっているため、セールアンドリースバックとも呼ばれています。

 

売却したあとは家の所有権は事業者へと移りますが、家賃を支払うことで一定の契約期間が満了するまで同じ家に住み続けられます。

 

 

リースバックのメリットとデメリット

 

リースバックを利用すべきか検討するときは、メリットだけでなくデメリットも理解することが大切です。

 

ここでは、代表的なメリットとデメリットをご紹介します。

 

 

リースバックの主なメリット

 

リースバックの主なメリットは以下の通りです。

 

  • まとまった資金をすぐに調達できる
  • 住み慣れた環境で生活を続けられる
  • 固定資産税などを支払わなくてよくなる

 

リースバックは専門の事業者が家を買い取るため、一般的な不動産の売却とは異なり、買主を探す手間がかからず、申し込みから数週間ほどでまとまった現金を受け取れます。

 

得られた売却代金の使い道に制限はないため、老後の生活資金や事業資金、子どもや孫に援助するための資金、相続対策など幅広く利用が可能です。

 

また、売却後も引っ越しをしなくてよいため、新しい家を探す手間や費用もかかりません。

 

売却後は家の所有者でなくなるため、毎年の固定資産税や都市計画税、マンションの管理費・修繕積立金などを支払う必要がなくなります。

 

 

リースバックの主なデメリット

 

リースバックの主なデメリットは以下の通りです。

 

  • 売却価格が市場価格よりも低くなる
  • 家賃が相場よりも割高になる
  • 不動産の所有権を完全に失う

 

リースバックで家を売る場合、売却価格は一般的な市場価格の60〜80%程度になることが多いため、基本的には通常の不動産売却よりも安くなります。

 

例えば、家の価格相場が4,000万円の場合、リースバックの売却価格は2,400万〜3,200万円が目安です。

 

また、売却後に支払う家賃は、売却価格と見込まれる利益をもとに計算されるため、立地や広さ、間取りなどの条件が似た物件よりも割高な傾向にあります。

 

加えて、売却した時点で家は自身の資産ではなくなるため、自由にリフォームをしたり、将来子どもに相続させたりすることはできなくなります。

 

 

リースバックに関する主なトラブル

 

リースバック自体は悪いものではないのですが、仕組みの複雑さや悪徳な業者の存在により、さまざまなトラブルが生じることがあります。

 

ここでは、よくあるトラブルの事例を解説します。

 

 

売却価格に関するトラブル

 

自宅の適正な価格を把握しないままリースバックの契約を結び、著しく安い価格で売却してしまうトラブルが後を絶ちません。

 

リースバックの売却価格はそもそも割安ですが、それをさらに大きく下回る価格での売却を迫る悪徳な業者も残念ながら存在します。

 

 

家賃に関するトラブル

 

リースバックの契約を結ぶとき、途中で家賃が上がることはないと説明されていたものの、実際には契約更新のタイミングなどで値上げを請求されるというトラブルもあります。

 

リースバックの家賃は、そもそも相場よりも割高であるうえに、途中で値上げされたことで、支払いが難しくなって退去せざるを得なくなる方もいるようです。

 

 

契約の更新を断られるトラブル

 

リースバックの契約時に「売却後も問題なく家に住み続けられますよ」と説明されていたにもかかわらず、一定期間が経過したあとに事業者から退去を求められることがあります。

 

これは、賃貸借契約が「定期借家契約」になっている場合に起こりやすいトラブルです。

 

定期借家契約は、2年や3年などあらかじめ決められた契約期間が終わると、貸し手は正当な事由がなくても契約の更新を断ることができます。

 

長年住み続けられると思ってリースバックを契約したにもかかわらず、契約更新を断られてしまい事業者とトラブルになる場合があります。

 

 

買い戻しに関するトラブル

 

リースバックを契約する際、将来的に一定の金額で家を買い戻すという条項を契約内容に盛り込むことができます。

 

しかし、買い戻しの価格は売却価格よりも高くなるのが一般的です。

 

年齢や収入、職業などによっては住宅ローンを組めず、資金が不足して買い戻しができないことがあります。

 

また「いつでも買い戻せますよ」という口約束を信じてしまったばかりに、家の買い戻しを要求しても事業者から断られてしまいトラブルに発展するケースも存在します。

 

 

リースバックと他の資金調達方法の違い

 

持ち家を所有する人がまとまった資金を手にする方法には、リースバックの他にも以下のような選択肢があります。

 

  • リバースモーゲージ
  • 不動産担保ローン
  • 通常の不動産売却

 

ここでは、上記の方法とリースバックの主な違いを解説します。

 

 

リバースモーゲージとの違い

 

リバースモーゲージは、自宅を担保にお金を借りるものです。

 

リースバックが「売買」であるのに対し、リバースモーゲージは「融資(借金)」である点が主な違いです。

 

リースバックでは家の所有権が事業者に移りますが、リバースモーゲージであれば、契約者が亡くなるまでは引き続き自身の所有となります。

 

また、リースバックは毎月「家賃」を支払いますが、リバースモーゲージは借入金の「利息のみ」を支払うのが一般的です。

 

リバースモーゲージの契約者が亡くなったあとに家を売却して、借入元金を一括返済します。

 

 

不動産担保ローンとの違い

 

不動産担保ローンは、所有する不動産を担保にお金を借りる商品です。

 

リースバックとは異なり、所有権を失うことなくまとまった資金を得られます。

 

不動産担保ローンを借り入れたあとは元金と利息を返済しなければなりません。

 

返済が滞ると、金融機関は担保となっている不動産を差し押さえて、競売により強制的に売却し、融資金を回収しようとします。

 

 

通常の不動産売却との違い

 

通常の不動産売却とリースバックの一番の違いは、売却後に住み続けられるかどうかです。

 

リースバックは売ったあとも家賃を払って住み続けられますが、通常の不動産売却では買主に家を引き渡すため、住み続けることはできません。

 

一方、売却価格は通常の不動産売却の方が市場価格に近くなります。

 

リースバックとは異なり、買い手を探す必要があり時間はかかりますが、より高値で売ることが可能です。

 

今の家に住み続ける必要がなく、少しでも高く売りたい場合は、リースバックよりも通常の不動産売却の方が適しているといえます。

 

 

まとめ

 

  • リースバックは、家を売却したあとも、家賃を払って住み続けることが可能
  • すぐにお金を用意でき、今の生活を変えずに済むメリットがある一方、売却価格が安くなったり、家賃が割高になったりするデメリットもある
  • 「ずっと住めると思っていたのに退去を求められた」などさまざまなトラブルが生じる可能性があるため、利用すべきかは慎重に検討する

 

【コラム執筆者】

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品木 彰(シナキ アキラ)

プロフィール

保険・不動産・金融ライター。ファイナンシャルプランナー2級技能士。大手生命保険会社や人材会社での勤務を経て2019年1月に独立。年間で700本以上の記事執筆に加えて、不動産を始めとしたさまざまな記事の監修も担当している。

https://daisakukobayashi.com/