コラム

マンション購入で失敗するケースとは?対策とあわせて解説

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マンションは一般的に高額であるため、購入する誰もが失敗をしたくないと思うものです。

 

マンション購入時の失敗を防ぐためには、よくある失敗例と対策方法を押さえることが重要です。

 

今回は、マンション購入の際に起こりがちな失敗例を解説します。

 

 

マンションの住環境に関する失敗例

 

マンションの住環境をよく調べずに購入すると「騒音トラブルに悩まされた」「階層選びを誤った」といった事態が起こって失敗をしたと感じられる可能性があります。

 

 

騒音に悩まされる

 

マンションでは、隣や上下階の部屋からの騒音に悩まされるケースが少なくありません。

 

例えば、真上の部屋に小さな子どもが住んでおり、走り回ったり跳べはねたりする音に悩まされるケースがあります。

 

また「隣の部屋にあるテレビの音量が大きい」「夜中に大声で会話している」など、マンションでさまざまな騒音トラブルが起こりえます。

 

一方、真下の部屋に住む人から「足音や物を落とす音がうるさい」と苦情をいわれるなど、加害者側としてトラブルに巻き込まれるケースもあります。

 

こうした騒音トラブルを防ぐには、部屋の防音性や上下左右の部屋に住んでいる人を不動産会社に確認してみると良いでしょう。

 

また、さまざまな時間帯に内覧をし、室内から聞こえてくる音を確かめるのも方法です。

 

 

階層選びを誤った

 

マンションの階層によって、日当たりや風通し、眺めなどの住環境が大きく異なります。

 

階層ごとのメリットやデメリットを考慮せずにマンションを購入すると、失敗をしてしまうかもしれません。

 

例えば、価格が安いという理由で低層階の部屋を選んだものの、入居後に「外から室内が見えやすい」ことが気になるかもしません。

 

また、眺めの良さや資産価値の高さで高層階の部屋を選んだものの、実際に住んでみるとエレベーターの待ち時間が長く、外出が億劫になるというケースもあります。

 

マンションを購入する際は、階層ごとの特徴をよく理解し、購入後に希望する暮らしも考えたうえで、部屋を選ぶことが大切です。

 

 

マンションの資産価値や金銭面での失敗例

 

マンションの将来的な資産価値や、購入後に毎月支払っていく金額をよく確認しなかったことで、失敗をすることもあります。

 

 

購入後に資産価値が大きく下がってしまった

 

マンションの資産価値は、基本的に築年数の経過とともに低下し、築25年を過ぎたあたりから一定になるといわれています。

 

ただし資産価値は、築年数の他にも周辺の環境や需要などさまざまな要因で変動します。

 

例えば、人口が減少傾向にあるエリアのマンションを買うと、将来的に需要が下がり、資産価値が大幅に下落してしまうかもしれません。

 

マンションの資産価値が大きく下がると、住み替えをしようとしても買い手がなかなか見つからず、希望する価格での売却が難しくなることがあります。

 

失敗を防ぐためには、立地や建物の状態、人口推移などを不動産会社の担当者に聞いて確認をし、資産価値が下がりにくいマンションを選ぶことが大切です。

 

 

毎月の支払いが苦しくなった

 

マンションを購入すると、住宅ローンを返済しながら管理費や修繕積立金なども支払っていくのが一般的です。

 

入居したあとに、収入の減少や支出の増加により、毎月の支払いが難しくなるケースは少なくありません。

 

例えば、ペアローンを組んでマンションを購入したあとに、配偶者が育産休を取得して世帯収入が下がり、返済が苦しくなることがあります。

 

また、金利の上昇による返済額の増加や、修繕積立金の値上がりなどで、家計が圧迫され、支払いが苦しくなるかもしれません。

 

他にも、失業や病気、子どもの成長などが要因で、支払いが難しくなることもあります。

 

マンションを購入する際は、将来的に収入が減ったり支出が増えたりしても、支払いを続けられるかどうかをよく検討することが大切です。

 

 

マンションの立地や周辺環境に関する失敗例

 

マンションの立地や周辺環境の確認が不足していると「こんなはずじゃなかった」と後悔をしてしまうかもしれません。

 

 

目の前に大きな建物が建てられた

 

購入したマンションの目の前に、高層ビルやマンションが建設されるケースがあります。

 

高層の建物が建てられたことで、窓やベランダからの眺めが悪化するかもしれません。

 

また、日当たりが悪くなることで、室内が暗くなったり、洗濯物が乾きにくくなったりすることもあります。

 

さらには、新しく建てられた建物から室内が丸見えとなり、カーテンを閉めきりにしなければ生活できないケースもあります。

 

将来的に、マンションの目の前に新しい建物ができる可能性を事前に予測するのは難しいものです。

 

しかし、少しでもリスクを下げるためにも、購入予定のマンション周辺で、建物を建設する計画がないか確認しておきましょう。

 

 

通勤や通学が不便だった

 

通勤や通学のルートをよく確認せずにマンションを購入すると、後から不便さに気が付くことがあります。

 

例えば、最寄り駅に快速列車や急行列車が停車せず、通勤時間が予想以上にかかるかもしれません。

 

また、最寄りのバス停に停車するバスの本数が少なく、通勤や通学がしにくいというケースもあります。

 

マンションの周辺に坂道が多く、自転車での通勤や通学が苦しくなることもあります。

 

そのため、マンションの購入を検討する際は、建物の周辺を実際に歩いたり、自転車や車で走ったりしてみると良いでしょう。

 

加えて、最寄り駅に停車する電車や最寄りのバス停の本数も確認し、問題なく通勤や通学ができるかを考えることも重要となります。

 

 

中古マンション購入時の失敗例

 

中古マンションを購入するとき、大規模修繕の時期や計画、管理規約などをよく確認していないと、入居後の暮らしに悪影響が生じることがあります。

 

 

購入後すぐに大規模修繕が始まった

 

マンションでは、12〜15年ごとに大規模修繕をして、外壁や廊下、屋上、配管などの修繕・刷新を行うのが一般的です。

 

大規模修繕の期間中は、建物に足場が組まれ、ベランダに洗濯物が干せないなどの制限がかけられます。

 

また、工事による騒音や振動なども生じるでしょう。

 

大規模修繕が行われるタイミングを把握していないと、中古マンションを購入して間もないころに工事が始まり、快適な生活ができなくなることがあります。

 

さらには、大規模修繕の実施に向けた修繕積立金が計画通りに積み立てられておらず、一時金が追加で徴収されるケースもあります。

 

中古マンションを購入する際は、長期修繕計画を閲覧し大規模修繕が実施されるタイミングをよく確認しておくことが大切です。

 

また、残高不足によって一時金が徴収される事態を避けるためにも、修繕積立金が計画通りに積み立てられているかどうかもよく確認しておきましょう。

 

 

思ったようなリフォームができなかった

 

中古マンションを購入して、自分好みにリフォーム・リノベーションをしようと考える人は少なくありません。

 

しかし、マンションの構造や管理規約による制限によって、思い通りのリフォームができないことがあります。

 

例えば、購入したマンションの構造が壁と床で建物を支える壁式構造であると、間取りの変更はできません。

 

また、配管位置の制約により、キッチンを希望する位置に移動できないこともあります。

 

管理規約によって、壁の取り壊しやフローリングの変更などが制限されるケースも少なくありません。

 

リフォームを前提に中古マンションを購入する際は、構造や管理規約をよく確認しておきましょう。

 

加えて、リフォーム工事に明るい不動産会社に相談をし、希望する工事ができるかどうかを購入前に確認しておくことも重要となります。

 

 

まとめ

 

  • マンション購入の失敗例には「騒音トラブルが生じた」「資産価値が大幅に下がった」「通勤・通学が不便だった」などさまざまな種類がある
  • 失敗を防ぐためには、住環境や資産価値、立地などさまざまな項目を確認することが大切
  • 中古マンションを購入する場合は、大規模修繕の時期や修繕積立金の残高、リフォームの可否などを事前に確認することが大切

 

 

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品木 彰(シナキ アキラ)

プロフィール

保険・不動産・金融ライター。ファイナンシャルプランナー2級技能士。大手生命保険会社や人材会社での勤務を経て2019年1月に独立。年間で700本以上の記事執筆に加えて、不動産を始めとしたさまざまな記事の監修も担当している。

https://daisakukobayashi.com/