コラム

マンションと戸建てはどちらを選ぶ?住み心地や費用などを比較

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住宅の購入を検討する際、マンションと戸建てのどちらを選ぶべきか迷う方は少なくありません。

 

どちらが良いか検討するときは、住み心地や取得費用、ランニングコストなどをよく比較することが大切です。

 

今回は、マンションと戸建て住宅を、住み心地や取得費用、維持費などさまざまな観点から比較します。

 

 

マンションと戸建ての住み心地を比較

 

ここでは、マンションと戸建ての住み心地を比較していきます。

 

 

広さや間取りの違い

 

マンションの場合、間取りや室内の広さは用意されたプランの中から選びます。

 

間取りは、多くの人にとって使い勝手の良いものとなっています。

 

室内の広さは、60〜70㎡ほどであるケースが多いです。

 

一方、30㎡ほどのコンパクトなマンションや、100㎡を超える広さのマンションもあり、家族構成や生活スタイルに合わせて選ぶことができます。

 

戸建て住宅であれば、床面積が100㎡を超えるものも少なくありません。

 

また、注文住宅であれば、敷地面積や建築条件の範囲内で、ある程度自由に間取りを決められます。

 

趣味の部屋を作ったり、テレワークに最適な書斎を設けたりと、ライフスタイルに合わせた家づくりができます。

 

 

立地

 

マンションは、都市部や駅に近い場所に多く建てられています。

 

また、周辺にスーパーマーケットやドラッグストアなどの店舗があるマンションも少なくありません。

 

そのため、通勤や買い物などがしやすく利便性は高い傾向にあります。

 

一方、戸建て住宅は、郊外や住宅地に多く建てられる傾向にあります。

 

買い物や通勤には、やや不便ではあるものの、より広い敷地を確保しやすく自然環境にも恵まれている傾向にあります。

 

子どもやペットなどが走り回るための庭も確保しやすいでしょう。

 

 

住環境の違い(日当たり、風通し、防音性など)

 

マンションは、角部屋を除いて両隣に住戸があります。

 

多くの住戸は窓が2面しかありませんが、限られた窓の数でも日当たりや風通しが悪くならないように設計されています。

 

ただし、低層階の部屋は日当たりや風通しが悪くなりがちです。

 

マンションを検討する際は、内覧にて実際の日当たりや風通しをよく確認することが重要となります。

 

その点、戸建て住宅は窓を設置する場所や数がマンションほど制限されないため、日当たりや風通しは比較的良好です。

 

一方、隣家との距離が近い場合は、日当たりがあまり良くないことがあるだけでなく、騒音トラブルに発展することもあります。

 

 

セキュリティや防災面の違い

 

マンションは、オートロックやカメラ付きインターホンなど、高いセキュリティ性能を備えているのが一般的です。

 

女性の単身世帯や幼い子どもを育てる世帯でも安心して暮らしやすいといえます。

 

また、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリートといった構造であり、耐火性や耐震性にも優れる傾向にあるため、災害発生時に被害が生じにくいといえます。

 

戸建て住宅の場合は、セキュリティ対策を基本的に個人で行う必要があります。

 

防犯カメラや人感センサーライトの設置などで対策をすると良いでしょう。

 

多くの戸建て住宅は木造ですが、新築や築浅であれば、耐火性や耐震性に優れたものも多くあり、マンションに比べて著しく劣るというわけではありません。

 

 

リフォームのしやすさ

 

マンションの区分所有者がリフォームできるのは、専有部分(室内)のみです。

 

廊下や外壁などに加え、玄関ドアやバルコニーなども共用部分にあたるため、入居者の独断でリフォームをすることはできません。

 

また、室内をリフォームする場合でも、管理規約や構造による制限の範囲内で工事内容を決める必要があります。

 

一方の戸建て住宅は、自由度の高いリフォームが可能です。

 

間取りの変更や設備の刷新、増改築など、ライフステージの変化にあわせて柔軟に行いやすいといえます。

 

ただし、戸建て住宅は所有者が外壁や屋根などの建物部分の修繕・メンテナンスをする必要があるため、維持・管理コストはマンションよりも高い傾向にあります。

 

 

マンションと戸建ての取得費用を比較

 

マンションと戸建てを取得する際は、物件の取得費用だけでなく税金や手数料などさまざまな費用がかかります。

 

ここでは、マンションと戸建ての取得費用について、具体的に解説していきます。

 

 

マンションと戸建て住宅の価格差

 

マンションと戸建て住宅には、取得金額に差があります。

 

国土交通省の調査によると、はじめてマイホームを取得した人の購入資金は、以下の通りです。

 

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※出典:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書

 

購入資金がもっとも高いのは分譲集合住宅(新築マンション)であり、注文住宅がそれに続く結果となりました。

 

一方、同じ戸建て住宅でも、注文住宅と分譲戸建住宅では約639万円の価格差があります。

 

取得コストを抑えて新築のマイホームに住みたいのであれば、分譲の戸建て住宅も選択肢に含めると良いでしょう。

 

中古住宅を比較すると、マンションよりも戸建て住宅の方が、平均価格は高いことが見て取れます。

 

 

取得時の諸費用

 

マンションと戸建て住宅のどちらを取得するとしても、以下の諸費用はかかる可能性があります。

 

  • 印紙税:売買契約書に貼る収入印紙代
  • 登記費用:不動産登記に必要な登録免許税や司法書士に支払う報酬
  • 不動産取得税:土地や建物を取得したときに課せられる税金
  • 不動産仲介手数料:不動産会社の仲介で物件を購入する際に支払う手数料
  • 住宅ローン関連費用:融資事務手数料・保証料など
  • 固定資産税・不動産取得税の精算金
  • 引っ越し費用

 

戸建て住宅を取得する場合は、上記に加えて以下のような費用がかかる可能性があります。

 

  • 水道分担金:水道の新規加入代や水道管の引き込み工事代など
  • 地盤の調査費用
  • 建築確認の申請費用
  • 地鎮祭・上棟式の費用

 

一方、マンションの場合は「修繕積立基金」がかかることがあります。

 

修繕積立基金は、将来の大規模修繕を実施するための資金を準備するために、新築マンションの購入者から徴収されるお金です。

 

購入時にかかる諸費用の目安は、戸建て住宅が物件価格の6〜10%、マンションの場合は新築が3〜6%、中古が5〜8%です。

 

マンションよりも戸建て住宅の方が、諸費用は高い傾向にあります。

 

 

マンションと戸建ての維持費やランニングコストを比較

 

住宅の購入を検討する際、取得費用だけでなく、入居後にかかる維持費やランニングコストも重要な判断材料となります。

 

ここでは、マンションと戸建ての主な維持費について解説します。

 

 

マンションにかかる主な維持費

 

マンションの維持費は、主に「管理費」と「修繕積立金」があります。

 

管理費は、マンションの共用部分の清掃や設備の保守点検、管理会社への委託費などに充てられるお金です。

 

修繕積立金は、将来の大規模修繕工事に備えて積み立てられるものです。

 

管理費と修繕積立金の金額は、マンションの立地や築年数、設備などで異なります。

 

国土交通省の調査によると、ひと月あたりのマンションの管理費と修繕積立金の平均額は以下の通りです。

 

  • 管理費:17,103円
  • 修繕積立金:13,378円
  • 合計:30,481円

※出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査(令和6年6月21日公表)

 

他にも、駐車場や駐輪場の利用料などがかかることもあります。

 

 

戸建てにかかる主な維持費

 

戸建て住宅の場合、マンションのように管理費や修繕積立金はかかりませんが、外壁や屋根などの修繕・メンテナンスに備えて、所有者自身で資金を準備する必要があります。

 

特に、築年数が経過した住宅では、外壁や屋根などの修繕や室内の大規模なリフォームが必要になることもあるため、計画的に資金を準備することが大切です。

 

庭がある場合は、庭木の剪定や除草、害虫駆除などに費用がかかるでしょう。

 

 

マンションと戸建てはどちらを選ぶ? それぞれが向いている人の特徴

 

ここまで解説した内容を踏まえると、マンションと戸建てが向いている人の例は、以下の通りと考えられます。

 

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マンションと戸建ては、それぞれ異なる魅力があります。

 

自分のライフスタイルや価値観に合った住まいを選ぶことが大切です。

 

 

まとめ

 

  • マンションは利便性の高いエリアに建っているこも多く、入居者が建物や設備を管理する手間も少ないが、リフォームの自由度は低い
  • 戸建て住宅は間取りの自由度が高く庭を設置することも可能だが、買い物や通勤などが不便な場合がある
  • 注文住宅や分譲戸建て住宅よりも新築マンションの方が価格が高い傾向にある

 

 

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品木 彰(シナキ アキラ)

プロフィール

保険・不動産・金融ライター。ファイナンシャルプランナー2級技能士。大手生命保険会社や人材会社での勤務を経て2019年1月に独立。年間で700本以上の記事執筆に加えて、不動産を始めとしたさまざまな記事の監修も担当している。

https://daisakukobayashi.com/