マンションの間取りはどう選ぶ?間取り図の見方を解説
マンションを選ぶ際、慎重に検討すべき要素の1つが「間取り」です。
リビング、ダイニング、キッチン、寝室などの配置や広さは、マンションを購入したあとの生活に大きく影響します。
そこで、よく確認したいのが「間取り図」です。
間取り図には、各部屋の種類や広さ、方位などが記載されています。
本記事では、間取り図に記載される内容や、間取りを検討する際のポイントを解説します。
マンションの間取り図とは
マンションの間取り図は、室内をシンプルな図で表したものです。
各部屋の配置や広さ、形状、ドアや窓の位置、バルコニーの有無などを確認できます。
また、キッチン、バスルーム、トイレ、収納スペースなどの位置や広さを確認することも可能です。
間取り図の読み方
一般的に間取り図には、洋室や和室、廊下、玄関、洗面室などと記載されており、室内のどこに何が配置されているのかが、ひと目で分かるようになっています。
また、窓や扉の位置だけでなく、開閉の仕方も見分けることが可能です。
部屋の広さは、「〇帖」と表示されるのが一般的です。1帖は畳1枚分の広さであり、平米数に直すと、約1.62m²です。
部屋の広さが㎡で記載されている場合は、その数値を1.62で割ると何畳分の広さなのかが分かります。
加えて、間取り図には方位記号が記載されているため、部屋の向きも分かります。
方位記号のNと記載されている方角が北であり、その反対側が南です。
部屋を示す記号と種類
マンションの間取り図を確認する際は、L・D・Kなどのアルファベットの意味を理解することが大切です。
Lは、リビングを指します。リビングは、家族団らんの中心となる空間であり、ソファや、テレビ、本棚などが配置されるのが一般的です。
Dは、ダイニングです。
基本的に食事をするスペースであり、基本的には食卓テーブルが置かれます。
Kは、キッチン・台所であり、シンクやコンロ、冷蔵庫などが置かれます。
また、1つの部屋にダイニングとキッチンがある場合は、DK(ダイニング・キッチン)、それに加えてリビングもある場合はLDK(リビング・ダイニング・キッチン)といいます。
他にも、間取り図にはSやWICなどさまざまなアルファベットが記載されています。
- S(サービスルーム):建築基準法の採光や換気の基準を満たしていない部屋
- WIC(ウォークインクローゼット):歩いて入れるほどの広さがある収納スペース
- SIC(シューズインクローク):靴を脱がずに入れるスペース
- UB(ユニットバス):壁・天井・床が一体になっている浴室
- DEN:書斎・仕事部屋
- PS(パイプスペース):水道管や電気配線を通す配管スペース
マンションの間取りの種類と特徴
マンションの間取りには、1LDK、2LDK、3LDKなどの種類があります。
マンションを購入する際は、家族構成やライフスタイルなどに合った間取りを考えることが重要です。
ここでは、間取りごとの特徴やメリット、デメリットをご紹介します。
1LDKの特徴
1LDKは、単身世帯や2人暮らし世帯に選ばれることの多い間取りです。
1LDKのマンションは、2LDK以上のマンションよりも物件価格が安い傾向にあります。
また、リビングダイニングキッチンは8畳以上の広さがあり、それに加えて1部屋があります。
1人暮らしをする場合、将来的に同居人が増えるケースにも対応しやすいでしょう。
一方で、世帯人数が3人以上である場合、室内の広さや収納スペースが標準的であると、1LDKでは手狭に感じられるかもしれません。
2LDKの特徴
2LDKは、単身世帯からファミリー世帯まで幅広く人気がある間取りです。
2LDKのマンションには、2つの部屋とリビングダイニングキッチンがあります。
そのため、家族のプライバシーを確保しつつ、リビングで団らんを楽しむことができます。
また、2つの独立した寝室を確保することも可能です。
例えば、生活リズムが異なっており夫婦で寝室を分けたい場合や、夫婦と子どもそれぞれの寝室を確保したい場合は、2LDKのマンションを選ぶのも方法です。
その反面、子どもが成長したときや家族の人数が4人以上になったときは、手狭に感じられる可能性があります。
3LDKの特徴
3LDKのマンションには居室が3つあります。
そのため、2LDK以下の間取りよりも、世帯人数や利用目的、子どもの成長などに合わせて部屋の使い道を変更しやすいといえます。
「夫婦の寝室+子ども部屋を2つ」「夫婦の寝室+子ども部屋+書斎」「寝室+書斎+趣味の部屋」のように、ライフスタイルに応じて柔軟に部屋を使用することが可能です。
また、室内空間が広いため、3人家族や4人家族でも快適に暮らしやすいでしょう。
4LDK以上のマンションと比較して価格も手が届きやすいため、3LDKのマンションはファミリー層を中心に高い人気があります。
一方で、2LDK以上のマンションよりも物件価格が高いだけでなく、室内の床面積が広い分、水道光熱費の支払額や掃除・整理の手間も増える傾向にあります。
4LDK以上の間取りの特徴
4LDKは、3LDKよりもさらに広々とした空間がある間取りです。
子どもが複数いる世帯や、親と同居する世帯なども暮らしやすいといえます。
加えて、部屋数が4つ以上あると、寝室や書斎、趣味の部屋、客間などを希望に応じて柔軟に確保・変更しやすくなります。
例えば、子どもが2人いる家族世帯の場合、当面は「夫婦の寝室+子ども部屋2つ+書斎」として利用し、子どもの独立後は「夫の寝室+妻の寝室+書斎+趣味の部屋」に変更することが可能です。
ただし、4LDK以上のマンションは、一般的に価格が高額です。
とくに、首都圏で4LDK以上のマンションを購入するとなると、中古でも価格が1億円以上になることがあります。
住宅ローンを組んで購入する場合、毎月の返済負担が重くなりやすいため、入念に資金計画を立てることが重要となります。
マンションの間取り選びを選ぶ際のポイント
マンションの間取りは、家族構成やライフスタイルなどに合わせて選ぶことが大切です。
例えば、単身世帯やDINKS(子どものいない夫婦世帯)の場合、家族構成や生活環境に変化があったときに住み替えをするのであれば、1LDKや2LDKでも十分かもしれません。
一方、10年や20年など長年にわたって暮らす予定であり、結婚や出産などで同居する人の数が増える可能性がある場合は、3LDK以上を選ぶのも方法です。
また、テレワークやリモートワークをすることが多いのであれば、書斎(DEN)があるマンションを選ぶ方法もあります。
家族構成やライフスタイルなどをもとに必要な部屋数と広さを考えて間取りを選ぶことで、快適なマンション生活を送ることができるでしょう。
判断に迷うようであれば、マンションの取扱実績が豊富な不動産会社に相談することをおすすめします。
まとめ
- マンションの間取り図は、各部屋の配置や広さ、形状などを示したシンプルな図である
- マンションの間取りには1LDK、2LDK、3LDKなどの種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なる
- 間取り選びのポイントは、家族構成やライフスタイルに合わせて、必要な部屋数と広さを考えることである
【コラム執筆者】
品木 彰(シナキ アキラ)
プロフィール
保険・不動産・金融ライター。ファイナンシャルプランナー2級技能士。大手生命保険会社や人材会社での勤務を経て2019年1月に独立。年間で700本以上の記事執筆に加えて、不動産を始めとしたさまざまな記事の監修も担当している。
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