マンションは新築と中古のどちらが良い?メリット・デメリットや選び方を解説
マンションを買いたいと考えている人にとって、新築と中古のどちらにすべきかは悩ましい問題なのではないでしょうか。
日本では、新築マンションの人気が高い傾向にありますが中古マンションにも良い点はあります。
今回は、新築マンションと中古マンションそれぞれのメリット・デメリット、向いている人の特徴などを分かりやすく解説します。
新築マンションのメリット・デメリット
まずは、新築マンションのメリットとデメリットをみていきましょう。
新築マンションの主なメリット
新築マンションの主なメリットは、次の通りです。
- 設備が新しく性能が高い
- 当面のあいだは修繕やメンテナンスの手間・費用がかからない
- 修繕積立金が安い傾向にある
新築マンションのキッチンやトイレ、バスなどの設備は、基本的に最新のものが採用されています。
浴室暖房乾燥機や食洗機などが標準で搭載されるケースも少なくありません。
断熱性能や防音性能、耐震性能、耐火性能、セキュリティ性能なども優れている傾向にあり、快適かつ安心して暮らしやすいといえます。
設備や建材などはすべて新品であるため、当面のあいだは修繕やメンテナンスに費用はかからないでしょう。
また、新築マンションは修繕積立金が安い傾向にあります。修繕積立金は、12〜15年周期で行われる大規模修繕に向けて、管理組合が住民から毎月徴収する金銭です。
修繕積立金の金額は、築年数の経過とともに段階的に上昇するのが一般的です。そのため、新築マンションの方が中古マンションよりも修繕積立金は安く、ローン返済以外のランニングコストが低い傾向にあります。
新築マンションの主なデメリット
新築マンションの主なデメリットは次の通りです。
- 価格が割高
- 立地や間取りの制限
- 購入前に実際の部屋を見られないことも
新築マンションの価格は、中古マンションよりも割高です。これは、広告費をはじめとしたさまざまなコストが、販売価格に上乗せされているためです。
新築から中古になると、資産価値が1〜2割ほど下がるといわれています。
また、駅の近くなど利便性の高いエリアには、すでに多くのマンションが建っています。
新築マンションに絞ると選択肢が狭まり、予算内で、立地や間取りなどが希望に合う物件がなかなか見つからなくなるかもしれません。
マンションがまだ完成していない状態で売りに出されている場合、建築が終わるころには完売となっているケースがあります。
特に人気のエリアにある新築マンションは、実際の室内を見ることなくパンフレットやモデルルームなどで購入を決めなければならないことも多いのです。
中古マンションのメリット・デメリット
続いて、中古マンションのメリットとデメリットをご紹介します。
中古マンションの主なメリット
中古マンションの主なメリットは、次の通りです。
- 価格が割安
- 選択肢が多い
- 実際の室内や外観などを見て検討できる
マンションの価値というのは、新築されたあと築年数の経過とともに減少していき、築25年を超えたあたりから横ばいになるのが一般的です。
そのため、中古マンションの価格は割安であり、リフォームやリノベーションをするとしても、新築マンションより購入時の負担を抑えられる可能性があります。
住宅ローンを組む場合、毎月の返済負担が抑えられて、家計を楽にできるかもしれません。
また中古マンションであれば、都心部や交通の便が良いエリアにも多く建てられているため、新築マンションよりも選択肢は豊富といえます。
中古マンションも含めて検討することで、立地や間取り、周辺施設などが希望にあった物件を予算内で見つけやすくなるでしょう。
新築マンションとは異なり、中古マンションはすでに建っているため、実際の室内の間取りや内装、設備、建物の外観や廊下などを見て検討できます。
現在の居住者がいる状態で売りに出されている場合は、家具や家電などが置かれた状態を確認することも可能です。
中古マンションの主なデメリット
中古マンションの主なデメリットは、次の通りです。
- 設備の老朽化
- 性能が劣る可能性がある
- リフォームの必要性
中古マンションでは、設備や建物の老朽化が進んでいます。
特に築年数が経過している物件では、水回りの設備やエアコンなどの劣化が進み、マンションの入居後すぐに、修理や交換が必要になって多額の費用がかかるかもしれません。
また、新築マンションと比較して断熱性能や防音性能、耐震性能が劣る可能性もあるため、生活の快適性が低い恐れがあります。
例えば、マンションの断熱性能が低い場合、冬は寒く、夏は暑くなりやすくなります。
建築されたタイミングが1982年(昭和57年)1月1日よりも前である場合、住宅ローン控除を受けられない可能性があります。
住宅ローン控除は、年末時点におけるローン残高に応じた一定金額が所得税から差し引かれる制度です。
1982年(昭和57年)1月1日よりも前に建てられたマンションを購入する場合、所定の耐震基準に適合している、または所定の耐震改修済みでなければ住宅ローン控除の対象になりません。
新築と中古のどちらが向いている?それぞれが向いている人の特徴を解説
ここまででご紹介したメリットとデメリットを踏まえて、新築マンションと中古マンションのそれぞれが合っている人の例をご紹介します。
新築マンションが向いている人の例
〇新築マンションが向いている人の例
- 最新の設備やデザインを重視したい人
- 安全性や耐震性を重視したい人
- 他人が住んだことのある家を選びたくない人
最新機能を搭載した設備やトレンドに合った間取りで生活をしたい人は、新築マンションを選ぶのが良いでしょう。
また、新築マンションは最新の耐震基準にもとづき、強度の高いコンクリートを用いて建てられています。
世界有数の地震大国といわれる日本で、より安心して暮らしていきたい人は新築マンションを検討するのが良いといえます
加えて、新築マンションには基本的に前の入居者がいないため、すでに誰かが住んだことのある家の購入に抵抗がある人にも向いているといえます。
中古マンションが向いている人の例
〇中古マンションが向いている人の例
- できるだけ予算を抑えたい人
- 立地や環境を重視する人
- できるだけ早く入居したい人
中古マンションは価格が割安であり、リフォームやリノベーションの費用を含めても、新築マンションより安価で取得できる可能性があります。
予算が限られている人や購入後の返済負担を抑えたい人にも手が届きやすいといえるでしょう。
新築マンションよりも物件の数が多く、都心部や交通の便が良いエリアでの選択肢も豊富なのも中古マンションの特徴です。
職場や学校への通いやすさや、スーパーマーケットや公園、病院などの充実さで物件を検討している人にもおすすめです。
また、物件がすでに建っているため、転勤や子どもの進学などに間に合うよう、できるだけ早く入居したい人にも中古マンションが適しているといえます。
まとめ
- 新築マンションには「設備が新しく性能が高い」「当面のあいだは修繕やメンテナンスの費用がかからない」といったメリットがある
- 中古マンションのメリットには「価格が割安」「選択肢が多い」などがある
- 新築マンションは「最新の設備やデザインを重視したい人」「安全性や耐震性を重視したい人」などに向いている
- できるだけ予算を抑えたい人や立地・環境を優先したい人などは、中古マンションを検討すると良い
【コラム執筆者】
品木 彰(シナキ アキラ)
プロフィール
保険・不動産・金融ライター。ファイナンシャルプランナー2級技能士。大手生命保険会社や人材会社での勤務を経て2019年1月に独立。年間で700本以上の記事執筆に加えて、不動産を始めとしたさまざまな記事の監修も担当している。
https://daisakukobayashi.com/