
不動産が売れないときの対処方法とは?
「不動産を売りに出したもののなかなか買い手が見つからない」と悩む人は少なくありません。
不動産の購入希望者がなかなか見つからない場合は、原因を突き止めて早急に対策をすることが大切です。
本記事では、不動産の売却期間が長引いてしまう理由や、その対処方法を分かりやすく解説します。
不動産がなかなか売れない3つの理由
不動産が売れないときに考えられる理由は、主に以下の3つです。
- 物件の魅力を伝えきれていない
- 売り出し価格の設定を誤っている
- 不動産会社が囲い込みをしている
不動産が売れ残る原因をみていきましょう。
物件の魅力を伝えきれていない
たとえ魅力的な物件であっても、その魅力が購入検討者に伝わっていないと、売却期間を長引かせる要因となります。
よくあるのが「広告用の写真が良くない」というケースです。例えば、どんよりと曇っている日に、物件の外観や室内から見える外の景色を撮影しても、購入希望者の目には魅力的には写らないでしょう。
また、インターネットの不動産ポータルサイトや不動産の広告などに記載されている情報が不足している場合も、購入希望者に選ばれにくくなることがあります。
売り出し価格の設定を誤っている
不動産をスムーズに売却するためには、売り出し価格を適切に設定する必要があります。
設定を誤ると、売却期間が長引いてしまいかねません。
例えば、売り出し価格が相場よりも高く設定されていたとしましょう。
不動産の価格相場というのは、エリアや築年数、間取り、周辺環境などさまざまな要素で決まります。
売り出し価格が周辺にある不動産をもとに考えた価格相場よりも大幅に上回っていると、物件が売れ残りやすくなります。
不動産会社が囲い込みをしている
囲い込みとは、売却物件の情報を他の不動産会社に知られることのないように隠してしまう行為のことです。
不動産を売却するとき、不動産会社は「レインズ」という不動産会社専用のポータルサイトに物件の情報を登録するのが一般的です。
囲い込みが行われている場合、買主を仲介する不動産会社からの問い合わせはブロックされてしまいます。
レインズを見た不動産会社の問い合わせに対して「その物件はもう買いたい人がいます」などと言ってブロックしてしまうのです。
不動産会社が囲い込みをする目的は「両手仲介」をすることです。
両手仲介ができれば、不動産会社は売主と買主の双方から仲介手数料を得られます。
不動産会社にとっての売上である仲介手数料を多く得るために、囲い込みをすることがあります。
せっかく不動産を購入したいと考える人が現れても、不動産会社が囲い込みをしてしまっていては、なかなか成約にはいたらないでしょう。
不動産が売れないときの対処方法
不動産が売れないときに検討すべき対処方法は、以下の通りです。
- 物件の掲載情報を見直す
- 価格を変更する
- 不動産会社が囲い込みをしていないか確認する
物件の掲載情報を見直す
不動産がなかなか売れないときは、不動産ポータルサイトに掲載されている写真や情報を見直します。
広告に掲載されている写真が、あまり魅力的に物件を撮影できていないのであれば、担当者に取り直してもらいましょう。
例えば、曇りの日に撮影した写真が広告に掲載されているのであれば、よく晴れた日に撮影しなおすのがおすすめです。
また、物件の外観ばかりが撮影されている写真が掲載されているときは、室内が撮影された写真を増やすのも効果的です。
インターネットに掲載する情報については、以下の点をもとに再度チェックしましょう。
- 売り出し価格やその他の物件情報に間違いはないか
- 掲載されている情報量は今のままで十分か
- 買い手の立場から考えて加えた方が良い情報はないか
インターネットでしか物件の宣伝をしていないのであれば、チラシや新聞折り込みも利用することをおすすめします。
不動産探しに関心のない人や、スマートフォンやパソコンを利用する機会がない人などの目にとまるかもしれません。
価格を変更する
物件の掲載情報とあわせて見直したいのが、不動産の価格設定です。
特に、高値で売却したいという思いから価格を貯めに設定をしている場合は、周辺物件の価格相場をもとに妥当な価格設定を考えてみてください。
ただし、価格を下げすぎると安値で買いたたかれるリスクを高めてしまうでしょう。
また、短期間のうちに何度も値下げを繰り返していると、住宅を探している人から「もう少し待てばさらに価格が下がるかもしれない」と思われてしまうかもしれません。
価格を引き下げるのではなく、購入希望者を納得させられるだけの魅力をアピールし、より高値での売却を狙うという方法もあります。
不動産会社の担当者ともよく打ち合わせをし、売り出し中の物件にとってどの選択肢がベストなのかを慎重に検討することが大切です。
不動産会社が囲い込みをしていないかを確認する
不動産会社が囲い込みをしていないか確認するときは、レインズの取引状況を見てみると良いでしょう。
例えば、取引状況が「購入申込み」となっているにもかかわらず、担当者から説明や報告が何もない場合は、囲い込みをして買主側の不動産会社をブロックしているかもしれません。
囲い込みの疑いがある場合は、すぐに担当者に説明を求めましょう。
納得がいく説明がなく改善もみられない場合は、不動産会社を変更した方が良いといえます。
不動産会社を選び直すときは、複数社に査定を依頼して、その結果や販売戦略などを聞き比べるのが有効です。
良い担当者ほど、納得できる提案をしてくれるだけでなく、質問の受け答えや対応も丁寧です。
査定の金額だけでなく、結果の説明や販売戦略、注意すべきポイントを聞き比べることで、信頼できる担当者が見つかりやすくなります。
また「うちは片手仲介でも問題ありません」と言ってくれる不動産会社を選ぶことで、囲い込みのリスクを防ぎやすくなります。
建物の取り壊しやリフォームは事前に不動産会社と相談を
不動産が売れないときは、建物の取り壊しやリフォームをすると購入希望者が見つかりやすくなる可能性があります。
ただし、売却できる確率が必ずしも 上昇するとは限りません。
例えば、築年数が古いからといって安易に建物を取り壊してしまうと、安価で住宅を購入してリフォームしたいと考えている人に選ばれなくなってしまいます。
また、売却前にリフォームをしたとしても、コストに見合うだけの価格で売却できるとは限りません。
そのため、建物の取り壊しやリフォームを検討するときは、不動産会社と相談することをおすすめします。
まとめ
- 不動産が売れ残る主な理由には「物件の魅力を伝えきれていない」「売り出し価格の設定を誤っている」「不動産会社が囲い込みをしている」がある
- 物件の魅力を伝えきれていないときは、 広告に掲載する写真や情報を見直す
- 売り出し価格の設定ミスが原因であれば、周辺の相場をもとに価格設定を見直す
- 囲い込みをされている可能性があるときは、担当者に説明を求め、回答に納得できないときは不動産会社を選び直す
【コラム執筆者】
品木 彰(シナキ アキラ)
プロフィール
保険・不動産・金融ライター。ファイナンシャルプランナー2級技能士。大手生命保険会社や人材会社での勤務を経て2019年1月に独立。年間で700本以上の記事執筆に加えて、不動産を始めとしたさまざまな記事の監修も担当している。
https://daisakukobayashi.com/