コラム

知ってますか?宅建業者・宅建士の倫理観と使命とは?

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宅建業者は、取引当事者にとって安全な不動産取引をサポートする職業であり、宅建士は、不動産取引における専門的な事務を行うことができる国家資格です。

 

従来は、不動産情報量が不動産業者の価値であり、情報を持つものが消費者との情報格差を利用して収益を上げることが出来る環境にありましたが、インターネットが発達した今、一般消費者と不動産業者との情報格差は解消されつつあります。

 

その一方、従来に比べ現在は、不動産取引は各法令が複雑に絡み合い、かつ顧客のニーズも多様化しており、宅建業者・宅建士には、不動産取引全般のプロフェッショナルとして一連の業務に関して、倫理観と使命つまり高い信頼性を求められるようになりました。

 

今回は、宅建業者と宅建引士の倫理観と使命について解説します。

 

不動産取引の公共性と非対称性

 

生活するための住まいや、事業を行うためのオフィスなど、不動産は、人々の日常生活や経済活動の基盤に関係する重要なものです。

 

不動産の売買や賃貸借は、生活・経済に密接していることと、取引が高額であることにより一つ間違えば多大な損失が発生してしまうものです。

 

また、日常的に不動産取引を行う宅建業者や宅建士と違い、一般個人や一般企業にとって不動産取引はそう何度もない非日常的なことであるため、その知識や情報量には非対称性が存在します。

 

非対称性があることにより、宅地建物取引における仲介業務の場面において、顧客は宅建業者やその担当者個人を信用して取引をせざるを得ません。

 

このような背景から、宅建業者・宅建士には専門性を発揮し、公正な立場から安全かつ円滑な取引の遂行が求められています。

 

 

 

宅建業者

 

宅建業者は宅地建物の取引に関する専門家として、取引に関する知識経験や調査能力を活用・発揮することが期待され、取引に関書するにあたり、消費者等の当事者が取引において、損害を被ることがないようにする社会的責任を負っています。

 

そのため、宅建業者は従業者に対して必要な教育を行うよう努めなければなりません。

 

不動産会社により会社から従業者へ、最新情報提供や教育が不十分なケースも。宅建士自ら、インターネットや新聞で、自ら最新情報を確認するようことも必要です。

 

 

宅建士

 

宅建士は宅建業者に所属し、宅地建物の取引に当たって、重要事項の説明・重要事項説明書および契約締結後に交付する書面への記名・押印など重要な職務を担当し、公正な不動産取引を実現するという役割があります。

 

宅地建物取引の専門家として、公平な立場から、専門的かつ適切な助言を行い、誠実な姿勢で業務遂行しなければなりません。

 

そのためには、宅建士資格を取得した後も、最新の法令や税金制度やローンなど知識・能力向上に努める必要があります。

 

宅建士は不動産取引の専門化になりますが、不動産の所有権を移転するためには「司法書士」に依頼する必要があり、争いが発生した際は「弁護士」に依頼をするなど、その一連業務を行うためには専門業者との連携が必須です。

 

また、他にも、リフォーム会社・損害保険会社・金融機関等の関連業務との連携により、円滑な取引を図る役割も担います。

 

不動産取引では、お客様の窓口となり、これら専門家と協力をして安全な取引を実現するためのワンストップサービスを提供する必要があります。

 

 

 

 

 

まとめ

 

・一般の方と宅建業者・宅建士との間には、情報の非対称性が存在する

 

・宅建業者は従業者に対して必要な教育を行うよう努めなければならない

 

・宅建士は、公平な立場から、専門的かつ適切な助言を行い、誠実な姿勢で業務遂行する必要がある

 

・宅建士は関連する専門業種と連携に努めてワンストップサービスを提供する

 

 

 

 

 

 

 

【コラム執筆者】

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山本 健司

プロフィール

ミライアス株式会社代表取締役。大手不動産会社で全国1位の成績を連続受賞。不動産相談件数16,000件超。著書『初めてでも損をしない 不動産売却のヒケツ(サンルクス出版)』『損しない! モメない! 実家の不動産相続のヒケツ(サンルクス出版)』