コラム

宅地建物取引士とは?不動産資格の宅建士について解説

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宅地建物取引士(以下「宅建士」)とは「宅建士」や「宅建」の略称で呼ばれる不動産取引の専門家を示す国家資格です。土地や建物の売買又は貸借といった不動産取引を安全・円滑に実現することを、その業務としています。

 

今回は、皆さんの住まいの売買のお手伝いする「宅建士」について解説します。これから不動産業界を目指す方も参考にしてみてください。

 

 

 

 

宅建士になるためには?

 

宅建士になるためには、宅地建物取引士資格試験に合格後、取引士資格登録をし、取引士証の交付を受ける必要があります。(取引士の有効期間は5年)。宅建士として登録すると、都道府県の取引士資格登録簿に「氏名・住所・本籍・宅建業者に勤めている場合は業者名と免許証番号」などが記載されます。これらに変更があった場合は「遅滞なく」変更を届け出なければなりません。

 

宅建試験は例年7月に申込が始まり、10月の第3日曜日に全国の都道府県で試験が実施されます。合格率は15~17%で毎年約3万人の合格者数となっています。しっかりと勉強をすれば取得できる資格であり、宅建士資格を持つことは不動産のプロへの第一歩です。

 

従来は「宅地建物取引主任者」という名称でしたが、以前に比べ、不動産取引が複雑化・多様化したことにより、責任や役割が大きくなったことを踏まえ、平成26年から「士」に名称が変更になりました。

 

 

宅建士の欠格事由とは?

 

下記に1つでも該当する場合は、宅建士登録を行うことができません。

 


➀成年被後見人、被保佐人、復権を得ていない破産者

 

②免許を取り消され、取消しの日から5年を経過していない者

 

③免許取消処分前に廃業し、廃業届から5年を経過しない者

 

④禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わって5年、または時効の完成などにより刑の執行を⑤受けることがなくなった日から5年を経過しない者

 

⑥一定の罰金刑に処せられ、その刑の執行が終わって5年、または時効の完成などにより刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

 

⑥免許申請前5年以内に、宅建業に関して不正または著しく不当な行為をした者

 

⑦宅建業に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者

 

⑧事務禁止処分を受け、その禁止期間中に本人の申請により登録の消除がなされ、まだ禁止期間が満了していない者

 

⑨宅建業の営業に関し、成年者と同一の行為能力を有しない未成年者

 

⑩暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

 

 

 

宅建士の独占業務とは?

 

不動産取引業務の中には、宅建士のみ行うことが認められている3つの独占業務があります。

 

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案内や査定・調査などの不動産業務は宅建士以外でも行うことが出来ますが、これら3つの独占業務は、不動産に関する知識・経験の少ない人々をトラブルから守るため、資格者である宅建士しか行うことができません。

 

また、重要事項の説明は、不動産取引における買主・借主の意思決定のための重要な要素になるため、宅建士は不動産取引において重要な役割を担っていることになります。

 

 

 

宅建業では専任の宅建士が必要

 

宅建業を営むためには、国土交通大臣または都道府県知事から免許を受ける必要があり、そのためには事務所等に成年の「専任」の宅建士を置かなければなりません。

 

「専任」とは、原則として、宅建業を営む事務所に常勤して、専ら宅地建物取引業に従事する状態をいいます。「常勤」とは宅地建物取引業者の通常の勤務時間を勤務することをいい、パート・アルバイトや業務委託、兼業を持つ者は認められません。

 

宅建業法では事務所等における専任の宅建士の最低設置人数が定められており、人数はその場所の種類で異なります。

 

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宅建業を営むには、国土交通大臣または都道府県知事から免許を交付される必要があります。国土交通大臣、都道府県知事いずれから免許を交付されるかは、宅建事務所の設置状況によって決まります。

 

 

 

 

まとめ

 

・宅建士になるためには、宅地建物取引士資格試験に合格後、取引士資格登録をして取引証の交付を受ける


・欠格事由に該当する場合は、宅建士登録ができない

 

・宅建士には3つの独占業務があり不動産取引の重要な役割を担っている

 

・宅建業を営むためには、専任の宅建士が必要

 

 

 

 

 

 

 

【コラム執筆者】

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山本 健司

プロフィール

ミライアス株式会社代表取締役。大手不動産会社で全国1位の成績を連続受賞。不動産相談件数16,000件超。著書『初めてでも損をしない 不動産売却のヒケツ(サンルクス出版)』『損しない! モメない! 実家の不動産相続のヒケツ(サンルクス出版)』