コラム

知っておきたい!相続不動産を売るために必要な準備について解説

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相続した不動産が遠方であることや、大がかりな手直しが必要などの理由で、相続した不動産に誰も住むことができない場合、長期間空き家にしておくことにはそれなりのリスクやデメリットがあります。不動産を相続した際に放置しておくリスク・デメリットや、売却するために必要な準備について解説します。

 

 

相続した不動産を放置するリスク・デメリット

 

まずは金銭面の問題として、居住していなくても相続人には相続した不動産の管理の手間、固定資産税の負担などが発生します。防犯面では、空き家は放火など犯罪のターゲットになってしまうことがあります。さらには、伸びた樹木・枝葉などで隣接地に迷惑をかけてしまうことがあります。

 

思い入れのある実家などの理由で、ついそのまま放置してしまうケースが多々ありますが、使用せず放置することは、家屋の傷みの進行や、設備故障の原因となり将来の資産価値に影響をおよぼす場合があります。上記のようなリスクやデメリットがあることも考えなければなりません。

 

 

 

相続した不動産を売却するための準備

 

上記のような状況にならないために、早めの売却を考えることが大切なのですが、いざ買い手がついても準備ができていなければ売ることができません。売却を考えた場合、相続人はどんな準備をしていればよいのでしょうか。

 

相続した不動産は被相続人(亡くなった人)名義のままで売却することができません。
一度、相続人名義に変更(相続登記)したうえで、買主へ所有権移転登記をする必要があります。

 

相続人名義にするための手続きとしては、民法通りの相続分で名義を入れる場合を除き「遺産分割協議」が必要になります。
遺産分割協議には、法定相続人全員が合意して遺産分割協議書に実印を押印して、各人の印鑑証明書を添付することが必要になります。

 

買主が見つかってから協議をしようと思っても話がまとまらず、そうなればせっかくの売却話を断ることにもなりかねません。早めに合意、そして相続登記まで済ませておくことをお勧めします。

 

近年よく「相続人が認知症になっている」といったご相談をいただくケースがありますが、認知症の人を抜かして協議することはできません。
この場合には「後見人」をつける方法で遺産分割をすることはできますが、裁判所が関与するため他の相続人が希望する割合での遺産分割ができないこともあります。

 

このように遺産分割が難しいと思われる状況の方は、すみやかに司法書士などの専門家に相談し、解決方法についてアドバイスを受けることが大切になります。

 

 

 

 

【コラム執筆者】

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髙橋 朋宏

プロフィール

経堂司法書士事務所代表司法書士。一般社団法人相続総合支援協会理事。不動産と相続に関する分野に専門性を有する。難しいことを分かりやすく説明することを得意とし、ラジオ出演、新聞・雑誌への寄稿、セミナー、講演活動などを行うタレント文化人。

経堂司法書士事務所|世田谷区で30年の実績 (kyodo-office.com)